📚 猫の古本屋|斜陽|太宰 治
読書の話ではなく、本のそばにあった時間の話です。
📚 斜陽
✍ 太宰 治
アビ蔵:
ねえ、バステト、この「斜陽」ってやっぱり、そのタイトルだけでずいぶん重い空気になるよね。斜陽って、夕陽とか衰えとか、なにか終わりを感じさせる気がして。
バステト:
確かにね。でも太宰治の語り口って、重さの中にどこか人間の弱さや苦さを静かに掬い取ってる気がする。斜陽のまわりに漂うその曖昧な余韻、言葉にできない感じ。
アビ蔵:
読んでいると、なんだかあの時代の空気がほんの少しだけ差し込んでくるみたいでね。でも説明できない、その「なんとなく」がすごく強い。冒頭の一文がずっと頭に残って離れないなあ。
バステト:
あの一文がまるで静かな鐘の音みたい。背筋をそっと叩くような。でも決して騒がしくない。ほんとに太宰らしいリズム。読む時間が夜だと、なおさらその響きが増す気がする。
アビ蔵:
そうそう、夜の照明の下でページをめくると、この本自体がゆらゆら揺れる影のように感じられるんだよね。まるで斜陽の光が古本屋の隅っこまで入り込んでるみたいで。
バステト:
読後のあのもやっとした感覚、言葉にできなくてたまらなくなるところ。誰かに伝えたいけど、伝わるかどうかわからない、その切なさ。
アビ蔵:
斜陽ってタイトルのせいか、本棚で見かけるたびにちょっと遠ざけたくなるのに、この空気はやっぱり気になる…。惹きつけられる、不思議な引力があるんだよな。
バステト:
そして、また手にとって読む。そうしている自分に気づくたびに、この本の静かな問いかけがじわじわと胸に染みてくる。なんだか、そんな時間も悪くないね。
よくある質問(Q&A)
『斜陽』のタイトルにどんな意味が込められていると話されていますか?
夕陽や衰え、終わりを感じさせる重い空気があると話されています。
📚 今夜、本棚から出てきた一冊
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