夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第21夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:夜になると思い出す、あの大きなえびの香り。

バステト:薄い衣の間から、じんわり透ける真っ白な身。静かに湯気がふわっと立つ。

アビ蔵:揚げたてだと、ほんのり油の匂いとエビの甘さが混ざって、夜の空気に溶けていく感じ。

バステト:しっとり重みのある指先。かじるとさくっとした衣がほどけて、中がやわらかく跳ねる。

アビ蔵:あのサイズだと、食べながら少しずつ夜が深くなる。たぶん音も、ひそやかに小さくなる。

バステト:口の中に広がる潮の香りが、こっそり思い出に浸らせる。どこか遠い昼間の海辺を、ほんのり。

アビ蔵:揚げるときの「じゅうっ」という音も、ふと思い出す。店の奥から聞こえた、ざわざわと静かなざわめき。

バステト:重なった5尾の、その一つひとつが夜だけ蘇る特別な存在みたいで。

アビ蔵:温かさが冷めてくる時の、あの静かな余韻に夜は包まれる。

バステト:灯りがぼやけて、えびの記憶もぼんやりと遠ざかっていく。

アビ蔵:またいつか、ささやかな夜の中で。

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