夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第35夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:夜になると、ふわっと思い出すんだ。あの透明な風みたいな香り。

バステト:うん、しんとした空気の中で、ほんのりとした甘さが肌にまとわりつくようで。

アビ蔵:口に入れると、冷たさがじんわりと溶けていくんだよね。ミルクの丸みが、夜を少しだけ豊かにする。

バステト:チリチリする静かな寒さの中で、溶けていく感覚。柔らかな白い乳の記憶が蘇る、そんな感じ。

アビ蔵:あの、すこし重みのあるねっとりとした舌ざわり。思い出すのは、灯りが消えた時間。

バステト:夜にだけ濃くなるミルクの存在感。ひとくち、またひとくち。体の奥に静かに染みていく。

アビ蔵:酪王の、あのアイス。風呂上がりの冷たい風とも似ている。熱が鎮まる瞬間。

バステト:そして、いつかぼんやりと消えていく。名前は、遠くの星みたいにぼやけてしまうんだ。

アビ蔵:だけど、また夜になれば、あの香りと柔らかさがそっとよみがえる。

バステト:夜の静寂に紛れて、ふわと浮かぶ。それは、消えない忘れもの。

(静かな間が流れる)

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