夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第23夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:夜になると、ふと思い出すんだ。あの、じゅうっとパティが焼かれるあの音。

バステト:じゅうって音の少し後に、ふわっと立ちのぼる肉の匂い。匂いだけでなんだか奥の方がざわつく。

アビ蔵:ぼくはバンズのふんわりした感触も覚えてる。指先に伝わる、ほんのり温かさと、軽い弾力。

バステト:バンズとパティの間に挟まれるのは、ちょっとした焦げ目と肉汁の湿り気。夜の静けさに溶け込むようで。

アビ蔵:この食べ物は、一気にかぶりつくよりも、そっと口の中で馴染ませる感じがいい。

バステト:手に残る油のあとや、微かなバーベキューソースの痕跡が、あとでぽつりぽつりと思い出になる。

アビ蔵:頭の中でぼやけて、でも確かにそこにある、そんな夜だけの記憶。

バステト:闇の中でふと蘇る、アメリカンバーガーの輪郭。形は曖昧で、けれど確かなもの。

アビ蔵:答えはひとつじゃないまま、煙のように夜に溶けていく。

バステト:またじゅうっと音が聞こえる気がして、そっと耳を澄ます。

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