夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第25夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:夜になると、ふわっとミルクの匂いを思い出すことがある。

バステト:冷たい風の中で、指先にすこしだけ温かさが戻る感じ。

アビ蔵:柔らかなバター生地の中に、ぽってりとした白あんが隠れていた。

バステト:じんわり舌に溶けて、甘さは優しくて、でもはっきりした存在感があったな。

アビ蔵:夜の台所、明かりは控えめで、包みを開いた時のあの紙の音も記憶の一部だ。

バステト:あの瞬間だけ、時間がほんの少しゆるむような、不思議な空気が流れていた。

アビ蔵:口の中で、さくっとはしない、生地のしっとりした感触が夜にとても似合う。

バステト:ままどおる、って名前もいつの間にか耳に馴染んで、でも意味まではぽんやりしてる。

アビ蔵:お乳を飲む子、という響きが、夜の静けさと絡み合って離れない。

バステト:初めて食べた場所も思い出せないのに、夜になるとどこかで手を伸ばしてしまう。

アビ蔵:もう一度、あの柔らかな甘さがぼんやり目の前に蘇る。

バステト:じゅうっという音はない、でも包まれるようなぬくもりだけは確かなもの。

アビ蔵:いつかまた、ふわっとあの匂いに包まれた夜が来るのを待っている。

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