夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第31夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:夜になると、ふわっと蘇る匂いがあるんだよね。

バステト:じゅうっと音が小さくて、でも確かにそこにある感じ。

アビ蔵:たぶん、あの金格ハンバーグの焼ける音。焦げないギリギリの線を滑るように。

バステト:炭火じゃないのに、どこか野趣のある肉の熱。湯気がゆっくり立ち上る。

アビ蔵:食べると、さくっとはしないけど、少しだけ層があるような感触。

バステト:噛むたびにじゅわっと溢れる奥深い肉汁。なんて言うか、夜の空気に溶け込む感じ。

アビ蔵:白金豚と国産牛がひそかに手を組んでるみたいな、その微かな不思議。

バステト:ソースなんていらなかった。甘いわけでも辛いわけでもない、ただただ静かな満足感。

アビ蔵:ひとつ目を食べ終わったあとに、もう一度匂いを確かめたくなる。

バステト:あの揺らぐ蒸気と、静まり返る部屋の奥に残る余韻。

アビ蔵:結局、味覚よりも記憶の中で育つ味なんだと思う。

バステト:夜だけ、こっそりとまた戻ってくるあの場所のように。

アビ蔵:名前はすぐ出てくるけど、輪郭はふわりとぼやける。

バステト:だからつい、また耳を澄ませてしまうんだ。静かに。

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