夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第38夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:夜の台所、ふと手に取ったあの箱の重みって覚えてる?

バステト:なんとなくざらっとした感触と、ほんのりした湿気みたいな感じだった気がする。

アビ蔵:ああ、そうそう。蓋を開けた瞬間にふわっと立ち上る、その甘い匂いがね、まるで昔の夏の夜みたいで。

バステト:確かに。焦げた皮の香ばしさとタレの濃さが混じって、夜の空気に溶け込んでいく感じだった。

アビ蔵:それに、じゅうっと温まるところ。電子レンジの音より、小さなコンロの火がじわじわ鰻に伝わる音のほうが似合ってるね。

バステト:切れ目の入った身の艶やかさが、夜の光に反射してうつくしかった。うっすら見える皮の焼き色も。

アビ蔵:一口食べると、さくっとはしないけど、ふわりとやわらかい食感が夜の静けさの中で際立つんだよな。

バステト:そうそう、たれの甘さがどこか遠くの記憶を引き出す……思い出してみても、それが何だったかはぼんやりしてて。

アビ蔵:そういう夜の魔法みたいなものだったのかもしれないね。鰻そのものじゃなくて、その時間と場所ごと心に刻まれて。

バステト:何かに溶け込む香り。飽きることなくまたふと思い出す、そんな夜にだけ蘇る味。

アビ蔵:ほんのり温かい余韻だけがまだじんわりと残って、いつの間にか夜が更けていく。

バステト:あの味の記憶は、夜にだけしっかり胸に浮かぶんだろうな。きっとまた、いつか。

よくある質問(Q&A)

夜の台所で感じた鰻の匂いはどんなものですか?

甘くて香ばしく、昔の夏の夜を思い出させる匂いです。

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