夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第58夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:そういえば、夜遅くにおでんの鍋の中をじっと見てたことがあったな。

バステト:ああ、ふわっと立ちのぼる湯気の匂いが、なんだか昔の冬の夜の空気を思い出させる。

アビ蔵:大根が透明になっていて、じゅうっと染み込んだだしの色がうつくしくてさ。

バステト:玉子のつるんとした表面に、少しだけ温度が残ってる感じ。冷めてきたときの緩やかなぬくもりって、妙に落ち着くんだよね。

アビ蔵:そうそう。あと、ごぼう巻きの繊維がさくっと噛む瞬間にだけ顔を出すんだよ。けっこう存在感あるのに、しつこくない。

バステト:焼き竹輪のほんのり焦げた皮がふわっと香って、また違う風味。夜の静けさの中で、どこか燃えかすみたいな匂いも混ざってる。

アビ蔵:食べる前にその塩味の予感だけで、なんとなく手が伸びてしまう。レンジで温めるときの微かな音も、儀式みたいに感じる。

バステト:揚げボールのふわっと包み込む油の感じが、夜にぴったりで、歯を入れるとじゅわっと出てくるその瞬間、やっぱりここに戻ってくる理由があるのかも。

アビ蔵:昆布も忘れちゃいけない。静かに沈んでいるのに、食べ終わったあとにも、口の奥にほんのり塩味が残っているんだ。

バステト:なんだか味の断片が夜の風景と混ざって、はっきりとは言えないけど、また次も思い出す気がする。

アビ蔵:そう、夜にだけ蘇る記憶って、こういうことなんだろうな。それぞれの具材の温度と香りが、影のように寄り添ってる。

バステト:答えより、そこに漂う空気感をぼんやりと…。それだけで、またあの時間に戻れそうな気がしてくるよね。
アビ蔵:あ、そういえば…第70回のプレゼントのキーワードは「さかみち」だよ。
バステト:覚えておいてね。

よくある質問(Q&A)

第70回のプレゼントのキーワードは何ですか?

キーワードは「さかみち」です。

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