夜のどこかで、ふと浮かんでくる食べものの話です。

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📻 第28夜


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📻 アビ蔵放送局

アビ蔵:夜になると、ふわっとあの香りが浮かんでくるんだよね。

バステト:じわじわとあまい醤油の香りが、夜の空気に溶けていく感じ。

アビ蔵:表面がじゅうっと焼ける音。窓の外は静かで、台所だけがほんのりあたたかい。

バステト:ラムの肉はしっとりしていて、噛むとじんわり旨みが広がる。いや、味よりもその夜の時間が残っている気がする。

アビ蔵:うん、食卓の灯りがぼやっとしてて。熱気と香りが混ざった空気。外の冷たい風が届くたびに、思い出すんだ。

バステト:青みがかった肉の色がじっと浮かんで、けど鮮明すぎなくて。味付けはどこか懐かしさを連れてくる。

アビ蔵:ひとりで食べたり、誰かと共有したり。あの醤油のタレの甘さは、夜にしか顔を見せない。

バステト:夜風が入ると、ふっと香りが遠のいて、だけど記憶の中には残る。

アビ蔵:まるで、月明かりの下で再びだけ触れられるものみたいに。

バステト:食べ終わったあともしばらく、空っぽの皿の余熱と香りが宙に漂ってる。

アビ蔵:名前は浮かぶけど、どこかぼんやりしてる。そういう、夜の食べ物の記憶。

バステト:うん。ふとした瞬間にだけ蘇る、そんな味わいだね。

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